卵巣良性腫瘍の手術を繰り返し受けており、卵巣腫瘍が再度再発し、必要とする手術により、卵巣機能が大きく低下すると考えらえる方が対象となります。
受診時に原疾患の主治医からの紹介状に基づき、妊孕性温存診療が可能な状態かを判断します。可能で、かつご希望がある場合、原疾患の治療スケジュールを考慮して、卵子を採取する(採卵)の計画を立てます。
通常注射剤の排卵誘発剤を用いた調節卵巣刺激を行い複数個の卵子を採取するように計画します。調節卵巣刺激を開始してから採卵までの期間は最短2週間です。卵巣腫瘍の治療スケジュールが許容すれば、複数回の採卵を行うことも可能です。

一方で、実際に卵子や胚を凍結するかどうかの意志決定は、しばしば容易ではありません。当科では、生殖医療コーディネーター(日本生殖医学会が認定する生殖医療専門の看護師です)を交えて相談にのる、などきめ細かなサポートを行っています。

卵子や胚の凍結を行おうと決めている方のみならず、実際に卵子や胚の凍結を受けるかどうかを迷っている、妊孕性温存診療の話をひとまず聞いてみたい、という方もぜひ受診をご検討ください。