膠原病
膠原病の治療には、アルキル化剤が使われることがしばしばあり、その副作用の卵巣毒性が問題になることがあります。膠原病のために卵巣機能を低下あるいは廃絶させるような治療を必要としている方に、治療前あるいは中に、自分の卵子や受精卵(胚)を採取し凍結して治療後の卵巣機能廃絶に備えます。アルキル化剤が投与される非がん疾患に対する妊孕性温存治療は、東京都若年がん患者等生殖機能温存治療費女性事業の対象となっており、助成が受けられます(2022年7月現在)。
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治療
対象 - 全身性エリテマトーデスや血管炎などの膠原病に対して、抗がん剤と同様の薬剤を用いるなど、治療による卵巣機能の低下が考えられる方が対象となります。
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診療
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排卵誘発から採卵、凍結までの基本的な治療経過は、他の一般的な妊孕性温存治療と大きく変わるわけではありません。通常注射剤の排卵誘発剤を用いた調節卵巣刺激を行い複数個の卵子を採取するように計画します。調節卵巣刺激を開始してから採卵までの期間は最短2週間です。採卵後1週間~10日間ほどは、卵巣過剰刺激症候群を発症するリスクが高いため、採卵が終わってすぐに原疾患の治療を開始できるわけではありません。原疾患の治療スケジュールが許容すれば、複数回の採卵を行うことも可能です。
一方で、実際に卵子や胚を凍結するかどうかの意志決定は、しばしば容易ではありません。当科では、生殖医療コーディネーター(日本生殖医学会が認定する生殖医療専門の看護師です)を交えて相談にのる、などきめ細かなサポートを行っています。
卵子や胚の凍結を行おうと決めている方のみならず、実際に卵子や胚の凍結を受けるかどうかを迷っている、妊孕性温存診療の話をひとまず聞いてみたい、という方もぜひ受診をご検討ください。
受診希望の方は、女性外科 妊孕性温存外来 を受診してください