着床不全
体外受精において反復して良好胚を移植しても妊娠に至らない場合を着床不全と呼びます。着床不全には、受精卵(胚)側に原因がある場合と子宮側に原因がある場合があります。
受精卵側の原因として、受精卵の染色体異常の有無を体外受精の胚移植前に調べる着床前診断(PGT)については、着床前診断(PGT)の項を参照してください。ここでは、子宮側の原因(子宮因子)について解説します。
子宮因子の中では、子宮筋腫・子宮内膜ポリープなど着床を物理的に妨げる病変や先天性の子宮の形態異常などは従来から良く知られ、不妊治療でも調べられることが多いものでした。近年では、慢性子宮内膜炎の有無や子宮内細菌叢の異常などの子宮内膜の状態が着床不全に関わることが知られてきております。
IVF外来は着床外来と連携して診療にあたっております。子宮鏡などを施行した結果、着床を妨げる原因となりうる子宮内膜ポリープ、子宮筋腫等が指摘される場合には、内視鏡手術と組み合わせた治療方針をご提案します。(着床外来の詳細については、着床外来のホームページをご参照ください)
受精卵側の原因として、受精卵の染色体異常の有無を体外受精の胚移植前に調べる着床前診断(PGT)については、着床前診断(PGT)の項を参照してください。ここでは、子宮側の原因(子宮因子)について解説します。
子宮因子の中では、子宮筋腫・子宮内膜ポリープなど着床を物理的に妨げる病変や先天性の子宮の形態異常などは従来から良く知られ、不妊治療でも調べられることが多いものでした。近年では、慢性子宮内膜炎の有無や子宮内細菌叢の異常などの子宮内膜の状態が着床不全に関わることが知られてきております。
IVF外来は着床外来と連携して診療にあたっております。子宮鏡などを施行した結果、着床を妨げる原因となりうる子宮内膜ポリープ、子宮筋腫等が指摘される場合には、内視鏡手術と組み合わせた治療方針をご提案します。(着床外来の詳細については、着床外来のホームページをご参照ください)
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検査と
診断
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ERA(子宮内膜受容能検査)胚移植を行う際に、移植日の子宮内膜が着床に適した状態にあるかどうかを調べる検査です。実際の凍結融解胚移植周期と同じプロトコルでホルモン補充を行い、胚移植の時期(プロゲステロン開始から約120時間)に外来で子宮内膜を採取し、検体を提出します。検査の結果、着床に適した時期がずれていた場合は、それに従って次周期以降の胚移植時期を調節します。なお、ERA検査周期では検査だけを行い、胚移植は行いません。
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TRIO着床障害の原因として、子宮内の細菌叢(フローラ)や慢性子宮内膜炎がかかわっていることが知られています。通常はラクトバシラス属が90%以上を占める子宮内フローラのバランスが崩れていたり、慢性子宮内膜炎の起炎菌が増殖したりしている時に異常を検出するための検査がEMMA、ALICEです。ERAと同時に検査することが可能であり、当科ではこれら三つの検査を同時に行うTRIO検査を行っています。もし異常が検知された場合は、乳酸菌製剤の投与や抗菌薬の投与を行います。
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子宮鏡子宮内に軟性子宮鏡を挿入し、子宮内を観察します。子宮筋腫・子宮内膜ポリープなどの病変の有無、および慢性子宮内膜炎の評価を行います。
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子宮内膜組織診着床期の子宮内膜組織を採取し、慢性炎症を反映する形質細胞の有無を見ることで慢性子宮内膜炎の評価を行います。
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マイコプラズマ検査慢性子宮内膜炎の起炎菌の一種であるマイコプラズマの検出を行います。
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子宮内フローラ検査TRIO検査に含まれる子宮内フローラについて、単体での検査も行っています。ラクトバシラス属が9割以上の分布を示すことが良い子宮内細菌叢であると判断します。
そのほか、当科では着床能を改善する治療として、バイアスピリン、ビタミンE製剤等の内服治療の他、アシステッドハッチング法(AHA:透明帯の一部をレーザーにて薄くし胚のふ化を助ける)、ヒアルロン酸含有培養液の使用、2段階胚移植法(同一周期に分割期胚と胚盤胞を段階的に移植する)、SEET法(胚盤胞に至った周期の培養液をあらかじめ凍結保存しておき、次周期以降の胚盤胞移植周期に、移植に先立ちその培養液を子宮内に注入する)などを行っています。
受診希望の方は、
女性診療科・産科 着床外来
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